家庭菜園をやっていたらアブラムシは悩みの種。本当にいつの間にかどこからともなくやってきて、気がつけばすでに「時すでに遅し」なのです。
アブラムシ大発生!夫のひとことがきっかけだった

私の趣味は家庭菜園。その年もきゅうりにオクラにカモミールと色々な野菜やハーブを栽培していました。
家庭菜園の悲劇、緑が黒く(もしくは黄緑に)なる日
家庭菜園の良いところは、農薬も肥料も自分の思うように栽培できるところ。私はあまり農薬たっぷりが好きではなく、できるだけ自然にあるものでなんとかしたい派。
忙しくしているから、ゆっくり家庭菜園のチェックをできるのは休日くらい。その日もお決まりの家庭菜園チェックをしていたところ…。
「えっ、なにこれ。野菜の茎が真っ黒になったり黄緑に見えるんだけど」
そこにはよく見ると小さなアブラムシがびっしりとついています。
そこでさっそくネットで調べて牛乳をかけたり、コーヒーや酢をスプレーしてみました。…が、あまり効果がない。しかも臭い。ニオイに敏感な鼻が良すぎる夫にも「臭い、何かけたの?」と言われてしまった。
そこで、最終手段直接だ!とテープでとってみたけれど不器用なため若い葉っぱが破れてしまう始末。
「テントウムシに来てもらおう!」の一言で始まった昆虫ライフ
その様子をみていた夫から「テントウムシに来てもらおう!」の一言。そこからはじまったテントウムシ探しなのですが…。
テントウムシを探しにいこう

「アブラムシを食べてくれるから」ということで、テントウムシを探しに行くことになりました。
そういえばこの前行った草むらにテントウムシいっぱいいたよね?
捕まえる場所とコツ(春から初夏の草地・公園など)
春から初夏の草地や公園にはたくさんの草が生えています。なかでもシロツメクサ、カラスノエンドウ、ギシギシなどにはテントウムシがいるのをよく見ます。
テントウムシは目立つ柄のものが多いから成虫だったら見つけやすいですが、成虫がまだ少ない時期であればアブラムシがたくさんついている植物を目印に、まわりにいる幼虫を見つける方法が良いかもしれません。
慣れると両方がすぐに目につくようになる、テントウムシレーダーが発動します。
思わぬ副産物?観察が楽しくなってしまう罠
無事にテントウムシにも来てもらい、さっそく働いてもらおうと家庭菜園の一角に連れ出しました。しかししばらくすると徐々にいなくなってしまうのです。
「しばらく容器にいれておこう」と室内に置いておきました。するとなんと容器の中のテントウムシが卵を産んだのです。こうなるともう家庭菜園どころではありません。野菜を守る救世主のはずが、いつの間にか我が家の観察対象に…。
テントウムシを飼ってみた!準備と飼育環境のポイント

卵を見てしまったらもう夫の飼育スイッチはONの状態です。私も卵から成虫になるところなど見たことがありません。というわけでテントウムシの見守りがはじまったのでした。
虫かごならぬいつもの容器と水を含ませたキッチンペーパー、水分補給の工夫
ふつうだったら虫かごを使うのでしょうが、我が家ではフタ付透明パックを愛用しています。蓋に穴をあけて使うのです。
今回のテントウムシもこの「いつもの容器」に水を含ませたキッチンペーパー、アブラムシ付きの植物を入れて置いていました。
卵を産んだ!成長を見守る毎日
そしてしばらくしたら卵を産んでいたのです。黄色いつぶつぶがたくさん並んでいました。「これが卵かぁ、これからどうなるんだろう?」とちょっとわくわく。
ここが大変!テントウムシ飼育の落とし穴
しかし、最初の卵を産んだ時点ではこの後大変なことになるとは思ってもみませんでした。
アブラムシ、逃げる。飛ぶ。家の中にいる
餌のアブラムシが小さな穴や隙間から逃げ出してしまい、家の中の至るところで見つかるようになりました。しかも羽があるものもいるので飛んで少し離れた場所へも行くようなのです。
困った。
テントウムシの食欲が想像以上すぎた話
そしてテントウムシの食欲が思った以上なのです。たくさんあったはずの餌はすぐになくなってしまいます。
最初は家庭菜園に大発生していたアブラムシをせっせと捕まえてテントウムシの容器に入れていました。「ぜんぜん足りない。けっこう食べるよね。」
後から知ったことですが、テントウムシは成虫で1日50~100匹、幼虫でも1日で20匹ほどのアブラムシを食べるそうです。数匹を一緒にしていたためアブラムシが大量に必要となるのでした。
テントウムシの羽化を初めて見て感動

卵が黒い幼虫になったのは数日後のことでした。同時に成虫には家庭菜園担当になってもらいました。
そしてここからは見たことない世界の連続でした。しかし、動き回るテントウムシ相手に写真はブレまくり、卵も見飽きてきて写真も撮らず。もっと記録しておけばよかったな。
「虫かごは絶対しっかり閉まるやつに」
虫かごだったら絶対しっかり閉まるやつにするべきですし、そこに不織布でコバエシートのように空気以外通さないようにしたほうが脱走アブラムシに困らされません。
虫が大好きな人ならともかく、アブラムシを見つけるたびにまただ…。と肩を落とすはめになります。
わが家のように容器に穴をあける場合も穴の大きさには注意が必要です。
「餌の確保が最重要」
何より餌の確保が最重要なんですが、これが難しい。特に最初の頃成虫を数匹一緒にいれていたため、おそらく餌が足らなかったテントウムシが卵を食べてしまっていました。
そのため、「さっきまであった気がしたのに卵がない?!」ということも発生してしまったのです。
観察は楽しいけど”ややハード”
夫は終始楽しそうでしたが、テントウムシの飼育はアブラムシの脱走、量の確保という闘いもあり心身ともにややハードです。餌はアブラムシ以外に代用もあるみたいですが、やはりそれだけじゃ足りないそうです。アブラムシが一番なんですね。
しかし、無事に卵からテントウムシになるところを見ることができて満足です。家庭菜園の野菜たちも無事に収穫を迎えられました。
自然観察と家庭菜園を楽しむ春の思い出
夫の「テントウムシに来てもらおう」から始まったテントウムシ飼育でしたが、アブラムシ対策としてテントウムシ導入はたしかに効果がありました。また、飼育・観察で命の成長を身近に感じることができます。
ちょっとは虫が好きになった…かな。そしてこのパターンはまだまだ続くのです。
「こんな近場に」な後日談

気がついていなかっただけで、家庭菜園をしている自宅の庭と用水路の間の壁にはテントウムシがたくさん羽化していたのでした。わざわざとりに行かなくてもよかったのか。スギナにいっぱいいたなんて。
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