「今日なにする?」私もやりたいことがないわけじゃないけど、せっかくの休日だしー。夫のやりたいことも聞いてみようかな、と思って声をかけた。
すると返ってきたのは、予想通りというか、期待を裏切らないひとこと。「今度の調査で使う川の下見に行きたいんだけど、付き合ってくれる?」
…うん、だよね。楽しいからいいんだよ。我が家の休日は、ほぼ毎回こんな感じです。
川へ行く、ただし交通手段は折りたたみ自転車

目的地は片道6kmほどの河川敷。「運動不足でしょ?ちょうどいい運動になるよね!」と笑顔の夫。普段引きこもりぎみの私は、「いや、ちょっと大丈夫かな。」と心の中でぼそり。
さらに追い打ちをかけるように、周りの人々はみんな電動アシスト自転車。我々だけ、折りたたみの非アシスト型で太ももが爆発しそうに。風も強くて帽子がなんども飛ばされそうになってかぶりなおすことを繰り返し顎紐のあたりが痛くなったころ到着。ここまで30分くらい?GoogleMapを見ると自宅まで6.6km。遠い…。隣の市が見える。
夫はそれでも「意外と近いね」と涼しい顔でした。
下見開始。私はただの付き添いのつもりだった

現地に着くと、さっさと草をかき分けながらずんずんと進んでいきます。前を歩いていたと思っていたのにいつの間にかまったく別の草むらから夫が出てきます。その姿は仕事モード全開。
私はというと、景色を撮ったりまねして観察したりしながら最終的にはぼーっと空を見ていました。「まあ、景色はいいし、はじめて来た場所だし、ちょっとした観光ってことで…。」
まさかの展開:虫を見つけて、持ち帰りたいと言い出す夫

下見も終盤、「見てみて!レアなアメンボいたんだ!」と声を上げる夫。まさかと思えば、「これ、ちょっと持ち帰りたい」と言い出しました。
…いや、今日はそんなつもりで来てませんけど!?当然、虫かごも袋も何も持っていない私たち。どうしても持って帰りたそうで捕まえたアメンボを離しません。どうしよう…。鞄の中にある私のお気に入りのビニールポーチを差し出すべきかしら。
そうこうしているうちにまた姿が消えてしまった夫。次に現れた時には両手にアメンボを捕まえていました。
結果、そこらに落ちていた泥だらけで中も見えない空のペットボトルを見つけて、キャップ部分を外し、そこにそっと虫を入れました。
帰り道、私は足腰の痛みに耐えながら、彼は手にペットボトルをぶら下げてご満悦。学芸員って、ほんとブレない。
今日の学び:学芸員とのお出かけは何が起こるかわからない
当初は「軽いデートのつもり」で出かけたはずが、終わってみれば、虫をペットボトルに入れて持ち帰るという、研究者ならでは(?)の非日常な一日となりました。
「休日に調査の下見で川に行って、ペットボトルで虫を持ち帰る夫」そんな彼との生活も、悪くない-
…たぶん。
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